借地・底地の売却ガイド|宅建士監修
底地を売りたい地主の方へ|地代が安い・相続前に整理したい

地代が安く固定資産税を払うと手元に残らない、相続の前に整理したい。底地の売り先(借地人・買取業者・同時売却・等価交換)と価格の目安、地主ができる準備を宅建士が解説します。
- 宅地建物取引士が監修
- 最終更新 2026年10月10日
まず結論から
- 底地を買取業者に売る場合の価格は、更地価格の10〜20%程度が一般的な目安です。
- 借地人に売る、借地権と同時に売る、等価交換で分ける方が、高くなりやすい方法です。
- 借地人には借地借家法の強い保護があります。地主の権利と限界を知ったうえで、売り方を選びましょう。
最終更新日:/監修:シュース健人(宅地建物取引士)
底地を持ち続ける負担
底地とは、借地権がついた土地の所有権のことです。地主は地代を受け取れますが、旧法の借地では地代が長年据え置かれ、固定資産税・都市計画税を払うと手元にほとんど残らない、という声も聞かれます。
しかも底地は、地主が自由に使えません。借地人に正当事由なく出て行ってもらうことはできず、建物がある限り契約は続きます。相続のときには底地として相続税の評価を受けますが、評価額ほどの価格で売れるとは限らず、納税資金の準備に悩む地主も少なくありません。
底地の売り先と価格の目安
| 売り先 | 価格の目安(更地価格に対する割合) | 特徴 |
|---|---|---|
| 底地の買取業者 | 10〜20%程度 | 早い・確実。借地人の同意は不要。価格は低め |
| 借地人 | 30〜60%程度(話し合い次第) | 借地人は完全な所有権を得られるため、高くなりやすい。資金の都合がつくかが課題 |
| 同時売却(借地権と一緒に第三者へ) | 所有権価格を借地人と配分 | 合計価格が高くなりやすい。借地人の協力が必要 |
| 等価交換 | 土地の一部を所有権で持つ | 借地人と土地を分ける。広さと形が条件 |
底地の理論的な価格は「更地価格×(1-借地権割合)」で、借地権割合60〜70%なら30〜40%です。借地人が買う場合は、所有権がそろう利点を反映して50〜60%程度とする解説もありますが、実際は話し合い次第です。いずれも目安で、地代の水準・残りの期間・建物の状態で変わります。
なぜ買取業者の価格は低いのか
底地の買取業者は、買い取った後に借地人と交渉して、底地を借地人に売る、借地権を買い取る、同時売却するなどで収益を得ます。その時間と手間、話がまとまらないリスクを価格に織り込むため、更地価格の10〜20%程度になりやすいのです。
一方で、借地人が複数いる、借地人と連絡が取れない、関係が悪くなっている、といった底地でも、業者はそのまま買い取ります。地主が自分で借地人と話す負担がなくなるのが最大の利点です。

売却を決めていなくても大丈夫です。借地・底地の価格の目安と、売り方ごとの違いを無料でお伝えします。
地主が知っておくべき借地人の権利
- 期間が満了しても、正当事由がなければ更新を拒めない(法定更新。普通借地・旧法借地の場合で、定期借地権は期間満了で終了します)
- 借地人が借地権を売りたいとき、地主が承諾しなければ、借地人は裁判所に許可を求められる(借地非訟)。その場合、地主は自分で買い取る介入権を使える
- 相続による借地権の承継には、地主の承諾も承諾料も不要
- 更新料は特約や合意がなければ請求できない
- 地代の増額は、話し合い→調停→訴訟で決まる
底地を誰かに売っても、借地人の権利はそのまま新しい所有者に引き継がれます(借地上の建物に登記があれば、借地人は新しい地主にも借地権を主張できます)。
借地人に買ってもらうための進め方

- 底地と借地権の価格の目安を把握する(路線価・公示地価・近所の取引)
- 借地人の事情を知る(住み続けたいのか、相続で困っているのか、売りたいのか)
- 買い取りの提案に加え、同時売却や等価交換も選択肢として示す
- 価格と支払い方法、測量や登記の費用負担を書面で決める
借地人が高齢で、相続人が遠方に住んでいるというケースでは、相続をきっかけに借地人側から「売りたい」という話が出ることもあります。双方が同じ時期に整理を考えているなら、同時売却がもっとも合理的な解決になることが多いです。
地主が売却の前にそろえる資料
- 土地の登記事項証明書・公図・地積測量図(あれば)
- 土地賃貸借契約書(借地人ごと)。なければ地代の入金記録
- 借地人の一覧(氏名・連絡先・地代・契約開始時期・建物の状況)
- 固定資産税の課税明細(土地)
- 過去の更新・承諾・地代改定の記録
借地人が複数いる底地では、借地人ごとに契約の時期や地代がばらばらなことがよくあります。一覧にまとめるだけで、どの借地から整理するか、どの方法が向いているかが見えてきます。
借地人が複数いる・連絡が取れない場合
底地を一括で買取業者に売る方法のほか、借地人ごとに買い取りの意向を聞き、応じる借地人には借地人へ、応じない部分は業者へ、と組み合わせる方法もあります。借地人が亡くなって相続人と連絡が取れない場合でも、底地の売却そのものは可能です。
借地人への声のかけ方
底地の整理は、借地人の協力があるほど高い価格につながります。とはいえ、いきなり「土地を買ってほしい」「出て行ってほしい」と伝えると、借地人は身構えてしまいます。次のような順で話を進めると、受け止めてもらいやすくなります。
- 地主側の事情(相続の準備、地代と税金の負担)を率直に伝える
- 借地人の今後の予定(住み続けるか、子が継ぐか、売りたいか)を聞く
- 買い取り・同時売却・等価交換など、複数の選択肢を示す
- 価格の目安を、公的なデータにもとづいて示す
- 結論を急がず、相続人など家族と相談する時間をとってもらう
借地人が高齢で、判断を家族に任せたいという場合もあります。話し合いが争いに発展しそうなときは、弁護士にご相談ください。
売らずに持ち続ける場合の見直し
すぐに売る予定がない場合も、底地の状況を整理しておくことは無駄になりません。契約書がない借地は契約内容の確認書を交わす、地代が長年据え置きなら税金の推移を示して見直しを相談する、更新の時期を一覧にしておく、といった準備は、将来売るときにも、相続のときにも役立ちます。
地代の見直しは借地借家法11条の手続きによるもので、地主の一存で決まるわけではありません。値上げを求めるときは、固定資産税の額や近くの地代など、根拠となる資料を用意しましょう。
名義書換料や承諾料の提示額が妥当か、売却の前に確かめたい方もご相談ください。
相続と底地
底地は相続税の評価では「自用地の評価額×(1-借地権割合)」で評価されるのが基本です。評価額に見合う価格で売れるとは限らないため、相続が起きる前に整理するかどうかを検討する地主もいます。相続税の物納や、売却時の譲渡所得税の扱いは、税理士にご確認ください。
当社は、底地の買取・同時売却・借地人への売却の仲介のいずれにも対応し、どの方法が手取りを大きくできるかを比べてご提案します。当社は宅地建物取引業者です。当社が買主または媒介業者として、売買の取引条件(価格・引渡し時期・承諾書の内容など)をご説明・調整します。
承諾料の額や契約の解除をめぐって争いがある場合の交渉、借地非訟の申立ての代理は行いません。その場合は弁護士へのご相談をご案内し、必要に応じて弁護士・司法書士・税理士をご紹介します(紹介料は受け取りません)。
よくあるご質問
借地人に知られずに底地を売れますか?
地代を上げてから売った方が高く売れますか?
借地人が何人もいる底地でも売れますか?
寺社が所有する底地を売るには?
底地を売ったら地代はどうなりますか?
底地の買取業者に売ると借地人に迷惑がかかりますか?
借地人が地代を滞納しています。底地は売れますか?
大阪市北区の事務所で、宅建士が対応します
大阪借地・底地売却専門は、大阪府知事免許の不動産会社「株式会社GEEZ」が運営しています。顔の見えない一括査定サイトではありません。


シュース健人宅地建物取引士
大阪府 第118737号。ご相談には宅地建物取引士が責任をもって対応します。
- 宅地建物取引業免許大阪府知事(2)第62068号
- 所在地〒530-0047 大阪市北区西天満4丁目12-2 オオシマビル6階
- 営業時間10:00〜19:00(水曜日・日曜日定休)
- 所属団体(公社)全日本不動産協会/(公社)不動産保証協会



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シュース健人宅地建物取引士
宅地建物取引士 大阪府 第118737号/株式会社GEEZ 所属
株式会社GEEZ所属。大阪・関西の相続、空き家、再建築不可、借地、工場・倉庫、長屋・文化住宅といった売却の難しい不動産の相談を担当しています。
本ページの数値は、国土交通省「不動産情報ライブラリ」、総務省「住宅・土地統計調査」、経済産業省「工業統計調査」、国土地理院、OpenStreetMap の公開データを当社が集計したものです。価格は物件ごとの事情で変わります。実際の金額は現地確認のうえでご提示します。