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借地・底地の売却ガイド|宅建士監修

更新料・地代の値上げを求められたら|払う義務と考え方

電卓と家の模型(価格の目安)

借地の更新料は法律上の支払い義務はなく、合意や特約がある場合に限って支払います。地代の値上げ(借地借家法11条)の手続き、滞納のリスク、売却との関係を宅建士が解説します。

  • 宅地建物取引士が監修
  • 最終更新 2026年10月10日

まず結論から

この記事の結論
  • 更新料は、契約書の特約や合意がある場合に限って支払うものです。法律で支払いが義務づけられているわけではありません。
  • 地代の値上げは、話し合い→調停→訴訟の順で決まります。決まるまでは、自分が相当と考える額を払い続けます。
  • 地代の滞納は契約解除の理由になります。不満があっても支払いは止めないことが大切です。

最終更新日:/監修:シュース健人(宅地建物取引士)

更新料に法律上の支払い義務はない

借地の契約期間が満了して更新するとき、地主から更新料を求められることがあります。しかし、更新料の支払いは法律で定められた義務ではありません。最高裁判所も昭和51年の判決で、借地の更新にあたって当然に更新料を払う慣習があるとは認められないとしています。

支払う義務が生じるのは、契約書に更新料の特約がある場合や、地主と借地人が支払いに合意した場合です。「みんな払っている」「前回も払った」という理由だけで、法的な義務が生まれるわけではありません。

誤りやすい点:「更新料は必ず払うもの」は誤りです。一方で、特約があるのに払わないと、事情によっては契約解除が問題になることもあります。特約の有無を必ず確認しましょう。

特約がある場合の金額の目安

更新料の額も法律では決まっていません。合意で決める場合には、更地価格の3〜5%程度、または借地権価格の5〜10%程度などが目安として語られます。地域や地代の水準、これまでの経緯によって幅があります。

特約に金額が書かれていない、「相当額」とだけ書かれている場合は、話し合いで決めることになります。提示額の根拠(土地の価格、計算方法)を地主に示してもらうと、冷静に検討できます。

更新料を払わないとどうなるか

旧法・新法とも、借地人が更新を求め、建物がある限り、地主は正当事由がなければ更新を拒めません。更新料を払わなかったことだけで、借地権がなくなるわけではありません。

ただし、更新料の特約がある場合に支払いを拒むと、信頼関係を損なったとして契約解除が問題になった裁判例もあります。結論は事情によって分かれるため、特約がある場合に支払いを拒むかどうかは、弁護士に相談して判断してください。

テーブルを挟んで担当者がご夫婦の相談を聞いている様子

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地代の値上げを求められたとき(借地借家法11条)

地代は、土地の税金の増減、土地の価格の変動、近くの地代との比較などで「不相当」になったとき、地主・借地人のどちらからでも増額・減額を請求できます(借地借家法11条。旧法の契約でも同様の規定があります)。ただし、一定期間は増額しないという特約がある場合は、その期間は増額を請求できません。

  1. 話し合い根拠を示してもらい協議
  2. 調停まとまらなければ簡易裁判所の調停(調停前置)
  3. 訴訟調停も不成立なら裁判で決める

増額について話がまとまるまでは、借地人は自分が相当と考える額(通常は従来の額)を払えば足ります。後の裁判で増額が認められた場合は、不足額に年1割の利息をつけて払うことになります。地主が受け取りを拒む場合は、法務局に供託する方法があります。

滞納は最大のリスク

スマートフォンを見ながら悩む高齢のご夫婦

地代の滞納は、契約解除のもっとも典型的な理由です。数か月分の滞納が続くと、信頼関係が壊れたとして解除が認められることがあります。解除されると建物買取請求権も使えず、原則として建物を取り壊して土地を返すことになります。

親の代から滞納がある借地を相続した場合、相続人はその支払い義務も引き継ぎます。売却を考えるなら、滞納分の精算も含めて地主と話す必要があります。

地代はどう決まっているか

地代の額に法律上の基準はありません。契約したときの合意で決まり、その後は税金や土地の価格の変化に応じて見直されます。実務では、土地の固定資産税・都市計画税の何倍か、土地の価格に対する利回り、近くの地代との比較、といった方法で妥当性を考えます。

旧法の借地では、数十年前の地代がほとんど変わっていないことも多く、地主から見ると「税金を払うと手元に残らない」、借地人から見ると「急に上げられても困る」という状況になりがちです。値上げの話は、双方の事情がぶつかる場面です。資料(固定資産税の額、近くの地代)を示してもらい、冷静に話し合うことが大切です。

ご相談の事例

40年以上同じ地代で借りてきた借地で、地主の代替わりをきっかけに、地代を倍にしたい、更新料も払ってほしいと言われた。今後も負担が続くなら、売ることも考えたい、というご相談です。

このような場合は、更新料の特約の有無を確認し、値上げの手続き(話し合い・調停・訴訟)を説明したうえで、売った場合の価格と、持ち続けた場合の負担を比べます。値上げそのものの争いは弁護士へのご相談をご案内します。

実在のお客様の事例ではなく、よくあるご相談を組み立てた例です。

更新の時期に確認すること

  • 最初の契約日と、これまでの更新の時期(旧法か新法か、次の満了はいつか)
  • 契約書に更新料の特約があるか、金額や計算方法が書かれているか
  • 前回の更新で更新料を払ったか、そのとき合意書を交わしたか
  • 地代の額と、最後に改定された時期
  • 増改築や建替えの特約、譲渡の承諾に関する特約
  • 建物の登記が借地人本人の名義になっているか

更新の時期は、借地人にとっても地主にとっても、これからの土地の使い方を考える節目です。持ち続ける、売る、地主と一緒に売る、のどれを選ぶかで、更新料を払うことの意味も変わります。

地主と話がこじれていても、売却のご相談は当社で無料でお受けします

当社でご相談いただけることは、次の4つです。

  • 借地権が売れるかどうかの見立て契約書・地代の記録・建物の登記から確認します。
  • 価格の見込み地主に売る・承諾を得て第三者に売る・同時売却・当社が買い取る場合を比べます。
  • 当社が買主になる場合の取引条件のご説明当社が地主様に買取の意向をお尋ねできるかも含めてお話しします。
  • 借地非訟を使った場合の流れと期間の目安売却までの段取りを、時期の目安とあわせてお伝えします。

承諾料の額や契約解除をめぐる争いそのものの交渉は行わず、弁護士をご紹介します(紹介料は受け取りません)。法律相談と並行して、売却の準備を進めることができます。

更新・地代の問題は、売却の好機でもある

更新料や地代の値上げを求められたことをきっかけに、借地を手放すかどうかを考える方は少なくありません。更新の時期は、地主にとっても今後の土地の使い方を考える時期です。借地人が売りたい、地主も整理したいという状況なら、同時売却や地主への売却がまとまりやすくなります。

当社は売却のご相談の中で、売った場合の価格と、更新して持ち続けた場合の負担を比べる材料をご用意します。当社は宅地建物取引業者です。当社が買主または媒介業者として、売買の取引条件(価格・引渡し時期・承諾書の内容など)をご説明・調整します。

承諾料の額や契約の解除をめぐって争いがある場合の交渉、借地非訟の申立ての代理は行いません。その場合は弁護士へのご相談をご案内し、必要に応じて弁護士・司法書士・税理士をご紹介します(紹介料は受け取りません)。

よくあるご質問

更新料の請求書が届きました。払わないといけませんか?
契約書に更新料の特約がなく、合意もしていなければ、法律上の支払い義務はありません。特約がある場合は内容を確認し、判断に迷う場合は弁護士にご相談ください。
地代の値上げに応じないと追い出されますか?
値上げに応じないことだけで契約解除にはなりません。これまでの額を払い続けることが大切です。
地主が地代を受け取ってくれません。
地代を持参や振込で提供しても受け取りを拒まれた場合は、法務局に供託すると支払ったのと同じ効果が得られます。滞納扱いを避けるためにも検討してください。
更新の時期に売るのは不利ですか?
不利とは限りません。地主も今後の方針を考える時期なので、地主への売却や同時売却の話がまとまりやすいことがあります。
更新料を払えば地代は上がりませんか?
更新料と地代は別のものです。更新料を払っても、地代の増額請求ができなくなるわけではありません。
合意書なしで前回更新料を払いました。今回も払う義務がありますか?
前回払ったことだけで今回の支払い義務が当然に生じるわけではありません。契約書の特約の有無が重要です。迷う場合は弁護士にご相談ください。
地代はいくらが妥当ですか?
法律上の基準はなく、固定資産税・都市計画税との比較、近くの地代、土地の価格などから考えます。
更新しないで借地を返すことはできますか?
期間満了のときに更新しない意思を地主に伝え、土地を明け渡せば契約は終わります。使い続けると法定更新とされることがあるため、書面で意思を伝えるのが安全です。建物を地主に時価で買い取ってもらうよう求めることもできます(建物買取請求権)。

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宅地建物取引士 シュース健人

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このページの監修

監修者 宅地建物取引士 シュース健人

シュース健人宅地建物取引士

宅地建物取引士 大阪府 第118737号/株式会社GEEZ 所属

株式会社GEEZ所属。大阪・関西の相続、空き家、再建築不可、借地、工場・倉庫、長屋・文化住宅といった売却の難しい不動産の相談を担当しています。

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